僕、税所篤快は米倉誠一郎先生を連れてガザに行ってきました。
バングラデシュ、中国、インド、南アフリカ、ルワンダ、そして未承認国家のソマリランド。
五大陸を師弟で駆け抜けてきましたが、ガザで僕たちが出会ったのは、とてつもなく可能性を秘めた若い起業家の卵でした。
特に最優秀賞を同率で獲得した22歳のマジットと24歳のアマルでした。
彼女たちは生まれてから二十数年、ガザの壁の外に出たことがありません。
それだけでなく、3年に一度のペースで戦争に巻き込まれ、親族や友人を失い、ときに空爆のトラウマなども背負いながら生きてきた決して恵まれているとはいえない若者たちです。
しかし、彼女たちは泣き言、いいわけは一切語りませんでした。
彼女たちが語るのはガザに積みあがる社会課題に対して自分たちの考えたアイデア、ビジネス、イノベーションの可能性です。
マジットはガザの中の灰をリサイクルしてより高性能な建築ブロックを開発し新しい事業を志し、ガザの障害者たちがどう日常生活を暮らしやすいものにできるのかエンジニアリングの見地から商材を開発しています。
彼女たちは、いつ空爆が再開され地上軍が攻め入ってくるリスクの地に生まれたことを後悔している暇などまったくなさそうでした。
僕は彼女たちのパワーにしびれてしまいました。
これは今までの創業の地であるバングラデシュやソマリランドで感じてきたものと同じ感電するような熱情が全身を伝わっていくことを感じました。
授賞式のあと、僕と米倉先生はガザの海岸線を歩きながら二人で決意しました。
「このガザの芽は、ぜったいに大きくしよう。」
僕はマジットとアマル、そのチームの力を合わせれば本当にこの壁に囲まれて、失業率6割で自殺が急増しているガザの希望の光になると感じました。
そしてこの希望の光をつなぐためにも、ぜひみなさんにこのプロジェクトの支援をしていただきたいのです。
よろしくお願いします。