Al Jazeeraに紹介されました!

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2016年夏にガザで行われたビジネスコンテストの優勝者Majd MasharawiがAl Jazeeraに紹介されました(執筆:Mersiha Gadzo記者)。
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日本語訳は下記をご覧ください。


ガザ、灰塵からの復興:
パレスチナの発明家は、石炭と木材灰で作られた新しいタイプのレンガであるグリーンケーキを使ってガザの再建を望む

周囲の人々は当初笑いながら、そんな試みは失敗するに違いないと諌めたが、当時22歳で、大学で土木工学を専攻したマジッド・マシャラウィは根気強く取り組み、今、ガザの行き詰った復興を進めるための解決策になると考えている。

マジッド・マシャラウィと彼女の友人、ラワン・アブデラティフは、去年、文字通りガザを灰から再建するのに使うことができるタイプの煉瓦をつくった。グリーンケーキは、通常の砂と骨材の代わりに、充填材として石炭と木材灰を使用する世界で唯一のレンガで、普通のレンガよりも強く、重量と価格は従来製品の半分である。

この二人は、ガザの40%を超える高い失業率を減らすために、大学を卒業した後、立ち上げるためのコンセプトを定めた。

「ガザが何で苦しんでいるか自問した時、大きな原因は建築資材の不足でした」とマジッドはアルジャジーラに語る。
「私はアブデラティフに言いました。原料となるセメントの不足が大きな問題だ。代わりの方法を見つけるしかない」

長年のイスラエル・エジプトのガザの包囲の中で、「軍用にも民生用にも利用できる」とみなされる素材の多くは、パレスチナへの輸入を禁止されているか、または限られた量のみ許可されている。

これは、1800戸もの家屋が破壊された2014年のイスラエルによる大規模な攻撃からガザが復興することを妨げている。国連によれば、今なお約75,000人が住まいを追われており、多くの人が仮設住宅に住んでいる。今年は凍結状態や暖房不足の中で数人の乳児が死亡した。

現在まで、ガザは、再建に必要なセメントの3分の1しか入手できておらず、破壊された住宅のうち20%しか再建されていない。地域に入るセメントの量が限られているため、レンガは高価で品質が悪いとマジッドは指摘する。

代替品を探す中で、彼女は、世界の多くの地域では石炭を使って発電を行っており、結果、莫大な量の灰が無駄になっていることに気付いた。米国と中国は合わせて毎年8億トンもの灰を生産し、そのうちの半分は埋立地に捨てられていたのだ。

ガザでは、3軒のレストランで毎日100キロの灰が生産されており、陶器工場では毎週7トン以上の灰が生産されている。 マジッドは、通常は埋め立てられ、環境に悪影響を与えるこれらの物質をリサイクルすることはできないかと考えた。

「このアイデアはガザ地区だけではなく世界各地に応用でき、素晴らしい考えだと思いました」と彼女は言う。

10回の失敗の後、マジッドは最初のプロトタイプのレンガを地元の工場に持ち込み、圧縮強度試験を行ったものの、重量を保つことなしにはブロックは崩壊。必要な強度が3MPaにもかかわらず、わずか0.23MPaだったのだ。

「実験室の人は私たちに笑って言いました、『女の子は台所で、実際に緑色のケーキか何かを作ったらどうか』」とマジッドは回想する。

彼女とアブデラティフは実験を続け、物質を混合してより均質にしたり、新しい物質を加えたりし、数十サンプルを試した後、プロトタイプの強度は2.7 MPaに改善。この値は現在は3.4MPaとなっている。

彼女は、環境に優しく且つ軽量なこのブロックにグリーンケーキと名付け、 800人の応募者の中から、Mobaderoon IIIと呼ばれる地元のインキュベーターによる選抜で1位を獲得。9月に1,000個のグリーンケーキを使用し外壁を建てるという大規模トライアルへの財務支援を行った。

グリーンケーキの安い価格と優れた品質は地域の関心を集めているものの、周囲を壁に囲まれた中、試みを国際的に推進することは困難を極めた。昨年、サウジアラビアのMITアラブスタートアップ大会の決勝戦に出場することになっていたが、イスラエルとの検問所を通過する許可は得られなかったという。

「当時私は非常に失望していた」とマジッドは語る。 「Skypeでアイデアを発表しているうちにネットの接続が失われ、結局電話でのプレゼンテーションとなったのです」

また、レンガをテストするに当たって、別の問題も明らかになった。ガザでは強度、吸収力、重力などの試験を行うことができたものの、耐久性、耐火性、化学分析を行うための研究所がないのである。

「私はパレスチナ西岸地区に試作品を送り、自身も赴きテストを行いたかったのですが、出域の許可はおりませんでした」とマジッドは語る。

一方で良いニュースもあった。彼女は昨年の夏、ガザでの生活条件を改善するプロジェクトに投資するジャパンガザイノベーションチャレンジで、40人の応募者の中から1位を獲得したのである。

「日本では多くの人々がグリーンケーキをサポートすることに関心を持っています」とジャパンガザイノベーションチャレンジの創始者、上川路文哉は述べる。

「使用済みの灰から建築資材を生産するというアイデアは真に革新的であり、破壊されたガザをグリーンケーキで再建するという情熱を大切にしたい」、と昨夏のコンテストで審査員を務めた米倉誠一郎はアルジャジーラに語った。

マジッドにとって最も感動的なのは、日本のサポーターたちががグリーンケーキを日本に持ち帰り、残りのテストを成功させたことであった。

「彼らは私の人生を変えました、ガザではできなかったことを沢山やってくれています」マシャラウィは言う。「彼らは私に『来日出来るとしたら、あなたは何をしたいですか?』尋ねました。 私は『材料科学、テスト方法、そしてエンジニアのビジネスについてもっと知識を深めたい』と伝えています。これらは正に私が求めるものです」

起業サポートの一環として、彼女は今月、日本の建設会社である前田で研修を実施し、同社の技術者たちは彼女のレンガの改善をサポートする予定である。「今、私は再び希望を持っています」とマジッドは語る。

ガザのセメント価格が上昇し続ける中、彼女はこれまで以上にグリーンケーキという新しい選択肢への自信を深めている。

「人間の心には限界はありません」と彼女は語る。

「あなたが何かしたいのであれば、あなたは信じて信じ抜かねばなりません。あなたこそが未来を担う唯一の人なのですから」

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